幼少期から続いたアトピー体質

私は幼少期からアトピー体質で、母が食事にとても気をつけてくれていました。
無添加の食材や無農薬野菜を選び、出汁をきちんと引いた料理を作ってくれたおかげで、子どもの頃から“自然な食材の味”に触れて育ちました。
そのため、味覚は敏感になり、加工食品やラーメンのかん水など、食べられないものも多くありました。
それでもアトピーが完治することはなく、体質やストレス、大気汚染といった環境要因に影響されては、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返していました。
治癒を目指して試したこと

アトピーを少しでも改善しようと、母と一緒にあらゆる方法を試しました。
- はと麦汁を飲む
- はと麦を炊いてお粥にする
- 甜茶を飲む
- 湯船に海塩を入れ、海の濃度の塩水に浸かる
母の愛情でさまざまな方法を実践しましたが、ストレスを溜めたりアレルゲンに触れたりするたび、症状は悪化しました。
アトピーは一筋縄ではいかないものだと実感したのもこの頃です。
一人暮らしと食生活の乱れ

大学生になり、一人暮らしを始めると食生活は一変しました。
外食が増え、ストレスも溜まり、首や膝裏のアトピーが治らなくなっていきました。
そこで「キャベツと鶏肉、ご飯を少々」というシンプルすぎる食生活に切り替えたところ、アトピーは少し改善しました。
けれど今度は栄養不足で風邪をひきやすくなり、健康を保つことが難しくなったのです。
社会人になってからの試行錯誤

社会人になってからは、仕事がそこまでハードではなかったものの、毎日の気疲れで心身ともに消耗していました。
朝はギリギリまで寝て、帰宅後は玄関で倒れるように眠る生活。
それでも「食べることだけは徹底しよう」と思い、米・肉・卵をしっかり摂るようにしました。
一方で、ストレスによる頭痛が増え、市販薬に頼るようになっていきました。
「薬を飲めば大丈夫」と自分に言い聞かせて会社に通い続けましたが、次第に手や足が震えるようになり、ある日突然、玄関の敷居を跨げなくなりました。
そのまま5ヶ月の休職を経て、退職。社会人2年目の秋のことでした。
北海道移住で変わったこと

その後、私は北海道に移住しました。
不思議なことに、移住して2ヶ月ほどでアトピーが引いていったのです。
水が合ったこと、大気がきれいだったこと、汗をかく機会が減ったこと…。
そして、自然に囲まれた精神的に安心できる環境が、体をラクにしてくれたのだと思います。
食生活も整え直し、精神環境も安定したことで、アトピーの症状はほとんど気にならなくなりました。
起業と再び訪れた不調
ただし、その状態はずっとは続きませんでした。
起業してからは生活リズムが乱れ、食生活も不規則になり、再び精神的な不調を抱えるようになりました。
「食」と「暮らしのリズム」が整っていないと、心身が不安定になることを改めて痛感しました。
それは、子どもの頃から体験してきた「食と体の関係」の延長線上にあるものでした。
食で整える、自分らしい暮らし

私にとって「食べること」は健康の土台です。
豪華な料理や特別な食材ではなく、
- 玄米
- 味噌汁
- 大豆食品(納豆や豆腐)
- 季節の野菜
こうしたシンプルな食生活が、最終的に一番自分の体に合うのだと気づきました。
「手の込んだことはしなくてもいい」
「調味料だけはいいものを選んで、あとはシンプルでいい」
そう思えるようになったことで、食に対するプレッシャーが減り、体も心も落ち着いています。
読者へのメッセージ
アトピーや体調不良に悩んでいる方へ。
完璧な食事を毎日続ける必要はありません。
大事なのは「自分の体に合う食事」を見つけること。
食生活を整えることは、自分らしく暮らすための大きな一歩です。
小さな一皿からでも、あなたの暮らしが変わっていくかもしれません。